東京都の区市町村別弁護士数ランキング

東京都には６２の区市町村があります。内訳は，２３区，２６市，５町，８村です。

各区市町村における弁護士数について調べました。

弁護士数については，日本弁護士連合会ウェブサイトの「弁護士を探す」の弁護士情報検索のページを使い，「事務所住所」の「都道府県」欄で「東京都」を選択し，「市区町村」欄に各区市町村名を入力して検索しました。弁護士数は平成２７年１２月２７日現在のものです。

本記事では各区市町村の人口にも言及しています。人口ついては，東京都のウェブサイトの「都の概要」の中の「都内区市町村マップ」を参考にしました。人口は平成２７年１月１日現在のものです。

結果は下記のとおりです。

弁護士数トップは千代田区

都内区市町村のうち，弁護士の数が最も多いのは千代田区です。千代田区に続いて，港区と中央区がそれぞれ２位，３位となっています。

千代田区，港区，中央区の３つの区は，霞が関にある東京地方裁判所を囲んでいる区です。物理的に距離が近いため，裁判所へのアクセスが容易です。徒歩で裁判所を往復する弁護士の姿もよく見かけます。弁護士の数が多いのは，裁判所までの距離がとにかく近いことが大きな理由です。

４位新宿区、５位渋谷区、６位豊島区、７位文京区については，裁判所を囲んでいる１位千代田区，２位港区，３位中央区の外側に位置しています。その中でも新宿区，豊島区，文京区の３つは丸ノ内線の沿線にあるという点で共通しています。

東京地裁の最寄り駅は東京メトロの霞ケ関駅であり，霞ケ関駅には丸ノ内線，日比谷線，千代田線の３つの地下鉄が通っています。この中で東京地裁の目の前にあるＡ１出口に最も近いのは丸ノ内線です。丸ノ内線は古くからある路線なので地下の浅い所を走っており，乗り降りに時間もかかりません。電車の来る本数も多く，利用しやすい路線です。裁判所へのアクセスの良さと利用のしやすさから，丸ノ内線沿線には多くの弁護士事務所があります。

８位の立川市については，東京地方裁判所立川支部の所在地であることが影響して上位に来ています。

弁護士の偏在

２３区の弁護士数は１６，８１２名であり，２３区以外の市町村の弁護士数は６２９名です。東京都の弁護士のうち，９６％が２３区に集中しています。

弁護士１人あたりの人口（人口/弁護士数）を見ると，千代田区と港区と中央区の３つは１００人未満です。特に千代田区は弁護士１人あたりの人口が１０人を切っており，人口の１割以上にあたる人数の弁護士がいることになります。もっとも，弁護士の数は事務所所在地を基準に算出しているので，人口の１割以上を弁護士が占めているわけではありません。

逆に，江戸川区，東村山市，稲城市，清瀬市，武蔵村山市の５つは，弁護士１人あたりの人口が３万人を超えています。福生市と瑞穂町は，３万人を超える人口を擁していながら，地域内に弁護士が１人もいません。

まとめ

東京都の区市町村のうち，弁護士数トップは千代田区の６，１０５名です。

東京都内において，弁護士は偏在しています。